4月中に身につけておきたいチカラ

先生

先生もパパママも、真っ先に思うのは、「学習が遅れていないか」ということでしょう。
初任者の先生や小1のパパママはなおさら。

それは当然のことで、むしろそれは思ってほしいくらいです。
ただ、長い目(先生だったら1年、パパママだったら6年?)で見ると、
少しくらいの学習の遅れなんて、全く問題ありません!

むしろ急いで学習をするがあまり、とっても大切なことをないがしろにすると
大変なことになります。
取り返しがつかなくなります。


先生だったら、学級崩壊…
パパママだったら、自分で勉強しなかったり勉強が嫌い…

何事も初めが肝心!
例えばスポーツであれば、ボールの蹴り方、バッティングフォーム、走り方を初めに徹底的に教えておくことが大切です。技術ばかり指導して、後からこれらを修正するのは至難の業です。
怪我のしやすい選手、そもそも成長しない選手、嫌いになって辞めてしまう選手になってしまってはいけません。

少しくらい、隣のクラスから学習が遅れててもいい!
少しくらい、友達より計算ができていなくてもいい!

それよりも大切なことが、そこにはある!

「集団」編① 〜集団規律〜

 学校という場所は、子供たちにとって、集団で過ごすことを学ぶ小さな社会です。理不尽なこと、自分の思い通りにいかないこと、折り合いの悪い人、我慢することなど、社会に出ている大人が当たり前に感じていることを、少しずつ学ぶ場です。だからこそ、こういうことを排除してしまうのは大変危険です。これを、「子供を守る」と間違えている保護者が増えてくると大変危険です。なぜならそれを知らぬまま、本物の社会に出て行ったことを考えるとゾッとしますよね。だから集団規律を少しずつ勉強していくことも学校で学ぶことの大切なことです。

❶あいさつ 
 大きな声での挨拶は、人によってはなかなか難しいでしょう。挨拶は強制するものではないですが、挨拶するのが当たり前の環境に身を置いていれば、自然とできるようになります。
 パパママは、朝起きたら「おはよう!」寝る前は「おやすみ!」と言いましょう。
 先生たちは、朝は元気よく「おはよう!」帰りは「さようなら!」と言いましょう。

❷移動
 学校では、みんなで移動する場面が多くあります。この移動場面は、集団規律を学ぶ非常に手っ取り早い機会です。「並ぶ」「静かに歩く」など集団規律に関わるテーマを与えて実行しましょう。できていないまま進めると逆効果になってしまうので、できていない時はやり直します。叱るのではなく、やり直させればいいです。
 
❸整理整頓
 世の中には「窓割れ理論」というものがあるように、集団で過ごしている時は、その環境が集団に大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。
 【学校では…】
 ・教室に落ちているゴミ
 ・黒板や黒板の下のチョーク受け
 ・個別の児童ロッカー
 ・児童机の整頓 ←授業開始前に必ず声を掛けるといいですね
 ・先生机の机上や周辺 ←耳の痛い話ですが、きれいにしましょう
 ・昇降口の靴箱

 ❌子供たちに指示してやらせて、できていなかった叱る
 ⭕️子供たちに声を掛けながら、先生が率先してやる。子供たちがやっていたら大げさに褒める!
 ⭕️係活動などを活用して子供たちが自主的に運営して教室環境を整える

❹時間を守る
 まずは、大人(先生・パパママ)が時間を守りましょう。朝の会でだらだら話をして、1時間目の始業が遅れていませんか?授業が長引いて休み時間まで授業していませんか。
 将来的(小学校6年まで)には「見通しを持つ」技能を身に付けなければならないと思っています。だからこそ、少なくても「時間を意識する」「遅れないように動く」ことをしていかなければなりません。大人が「○分までに△△をやろう!」など、子供たちが時間を意識できるような声かけを積極的にしてあげましょう。

「集団」編② 〜学習規律〜

 学習規律と生活規律は混ざり合っています。授業で学習規律を整えていくことは、より良い生活を送っていることにつながっていきます。先生と保護者の皆さんが協力してやっていくことも多いです。

❶筆箱の中身
 毎日家で鉛筆を削ります。筆箱の中身が整っていることは非常に重要です。ボロボロの消しゴムや短くなりすぎた鉛筆もいいことではありません。

❷机の上の準備
 机の上が正しく整っていることは授業を受ける上で重要です。意外と見逃しがちですが、ノートや教科書の位置、筆箱を机の上に置かないなど、学校の規定に沿って必ず徹底すべきです。

❸休み時間の準備
 休み時間(業間)は遊ぶためにあるわけではありません。
 ・片付けをして、次の学習の準備をする。※移動があれば移動をする。
 ・トイレをすませる
 ・休憩をする(お茶を飲むなど)
 これらを必ず行うように、指導をしていきます。これは時間を意識することにもつながります。
 そして、私が小学校段階で身につけるべきだと考える「優先順位」の概念につながります。

❹始業終業の挨拶
 きちんと立ち、きちんとした声で挨拶をしましょう。
 学級崩壊している学級、それに近い学級は、始業終業の挨拶がきちんとできていません。
 座っている子がいる、声が異常に小さい、動いている子が多いなど、数ヶ月後に直そうとしても意外と直らないですので、初めに習慣化しましょう。

❺きちんと「聞く」
 先生の話はもちろん、友達の話や発表をきちんと「聞く」ことは、徹底したいです。
 まずは、先生や友達が話している時は、その相手の方を見て、黙って最後まで話を聞くことを徹底しましょう。「聞く」ことができない集団では、「話す(発表する)」子がどんどん減っていきます。
 聞いてくれない(聞いても否定するだけの)親の子は、どんどん話さなくなります。
 
 中・高学年になったら、それに加えて、次のようなことを子どもと共に考えてみましょう。
 「きちんと聞く」の「きちんと」とはどのようなことを言うのでしょう。 
 それは、いい姿勢で聞くことではないです!
 いい姿勢で聞くことはもちろん大切なことですがそれ以上に重要なことがあるはずです。
 私は中高学年を受け持つと年度初めの学級活動で、このテーマで話し合いをします。

★つぶやかせる
 少し高度な話をします。授業で、先生の話を遮る子がいますね。それを「うるさい!」とか「今は先生が話をしているので静かにしなさい!」と全て潰していると、子どもたちはどんどん話さなくなっていきます。ただし、これを自由にしていて、みんな好き勝手しゃべられても困ってしまいますよね。このバランスが大事なのです。授業の上手い先生は、このバランスがとても上手いのです。子供のつぶやきで授業を進めていきます。だから、子供たちの雑談・つぶやきは大事にしなければならないのです。

「個人」編① 〜生活〜

❶机に向かう習慣をつける
 理想は、毎日同じ時間に、同じ場所で学習することです。高学年になってから、そもそも「机に向かえない」「15分で集中が切れてしまう」なんて状態であるともう致命的です。
 内容は、宿題や勉強でなくてもOKです。好きな本を読んでいても、絵を描いていても、漫画でも工作でもいいでしょう。学年×10分+10分は机に向かっていることが当たり前にします。
【例】
 1年生⇨20分
 帰ってきて、15:00から15:20分にリビングのテーブルで学習する。
 まず、宿題をやる。15分で終わってしまったら、残りは自由帳に絵を描く。
 (あ、気付いたら30分経ってた!)
 
❷次の日の準備を自分でする
 パパママはもちろん手伝ってあげてくださいね。少しずつ自分でできるようになってくればいいです。そして忘れ物してもいいんです。可能であれば、お子さんが夜寝た後に、そっとランドセルの中を確かめてあげてください。「あっ、国語の教科書入ってないじゃん!」と気付いたらそっと入れてあげてください。それでいいんです。間違えても、朝に「ねぇ、昨日、国語の教科書入ってなかったよ!しっかりしなさいよ!」と叱らないでくださいね。

❸早く寝る、決まった時間に寝る
 とにかく早く寝てください。睡眠時間は確実に取ってください。
  1、2年生は8時半までに
  3、4年生は9時までに
  5、6年生は9時半までに  が理想です。
 これには根拠があって、成長ホルモンの分泌が10時頃から始まるため、10時にはぐっすり寝ていてほしいからです。そして睡眠時間を十分に確保するためには、6時に起きるとすると10時に寝てやっと8時間確保となります。
 睡眠時間をきちんと確保できていないと、「体の成長」「心の成長」「学習の成長」など、多くの部分に弊害が出てきます。

 できれば、決まった時間に寝ることができると、リズムが整って、起きる時間も整ってきます。

❸決まった時間に起きる
 朝を制するものは、一日を制す。

❹朝ごはんを食べる
 朝ごはんを食べないと、学校での学習や運動に大きく差が出ます。
 食べられない子もいると思いますが、食べられるものでOKです。

「個人」編② 〜学習〜

❶机に向かう習慣をつける
 これは、さっきも言ったように非常に重要です。これができていると中学くらいで大きな差が出てきます。

❷鉛筆を削る
 これもさっき言ったように、学習の基本です。

❸鉛筆の持ち方
 これを1年生の時に身につけたいものです。鉛筆の持ち方が良い子と悪い子では、物理的に字を書いていられる時間(手が疲れる時間)に差があります。つまり、鉛筆の悪い持ち方を習得してしまうと、いずれ長く文を書いたり勉強したりすることに嫌悪感を示し、勉強が嫌いになってしまう可能性が高くなります。

❹下敷きを引く

まとめ

難しいことはほとんどありませんが、身につけることはすぐにできないことが多いです。
ですから、根気強く続けていくことが大切です。
それから、決して叱ったり、強制的にやらせたりしないことです。
4月にやってほしいことですが、
長い目で見て、1年後や6年後にここまでできていたいという目指す姿を持って、少しずつやっていけば良いのです。そのためにあなた(パパ・ママ・先生)は今、今日、今週、今月、今年何ができるかをやるだけです。時には休むことだってあって良いですから、少しずつ身につけていきましょう!

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