こんにちは
そぶ先生です!
そぶ先生のプロフィール
SOBU ACADEMY 代表取締役社長
・学校や幼稚園などの団体や、各個人向けに教育アドバイスをしています。
・先生方向けにより良い教育実践のためのアドバイスをしています。
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●30代元小学校教員。人事評価は最高のSS。
●30歳で指導主事に。3年間指導主事を経験。
●教育論文で2度受賞経験あり。
●2児(男×2)のパパ。子育てって難しい!
●趣味はスポーツ観戦と子育て
コグニティブってなに?
コグニティブ(Cognitive)は、
「認識」「認知」という意味です。
人は、外部からのあらゆる情報に対し、
常に認知機能を働かせながら生活しています。
認知機能とは、物事を正しく理解・判断し
適切に実行するための機能であり
円滑な日常生活を送るうえで
必要不可欠なものです。
認知機能の重要性が注目されたきっかけ
そもそも、認知機能というのはそれほどまでに重要なのか。
認知機能の重要性に改めて注目が集まったのは
2019年に発表され、
累計発行部数120万部のベストセラーとなった
『ケーキの切れない非行少年たち』がきっかけだろう。
今なら電子書籍で0円で読めます。
これはすぐ読むべき。
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児童精神科医である筆者は
多くの非行少年たちと出会う中で
「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づきます。
以前、学校では
ただの「勉強ができない子」として
認識されることが多かったが、
実はその子たちの「認知機能の弱さ」や
「認知の歪み」が
気づかれてこなかったのです。
つまり、罰を与えたり、反省を促すことは意味のないことだったのです…。
最近よく使われているコグニティブ
コグトレ
認知 ○○ トレーニング
(Cognitive ○○ Training)の略称で
発達障害など
主に困り感を抱えている子どもたち向けに
行われているトレーニングです。
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(しかしながら、
非常に重要なトレーニングなので
私は全ての子供対象に
実施すべきことでもあるとも
考えています。)
主に以下の3つに分かれています。
対人スキルの向上(社会面)
認知ソーシャルトレーニング(COGST)
主には4つから構成されています。
①段階式感情トレーニング
②対人マナートレーニング
③危険予知トレーニング
④問題解決トレーニング
基礎学力の土台づくり(学習面)
認知機能強化トレーニング(COGET)
主には5つのトレーニングから構成されています。
①覚える
②写す
③見つける
④数える
⑤想像する
不器用さの改善(身体面)
発達障害をもつ子どもたちの中には、
身体的不器用さを
併せもつ子どもが多くいます。
不器用さのため
運動やスポーツが苦手であったり
身体や手先がうまく使えないだけでなく、
それによる自尊感情の低下や
周囲からのイジメの原因となることも
少なくありません。
また将来、身体を使った仕事や作業に
携わる場合には、
不器用さが様々な障壁となることも懸念され、
それらを少しでも克服することは
非常に重要な課題であると言えます。
身体的不器用さについては、
発達性協調運動障害(developmental coordination disorder)
といった疾患概念があり、
複数の動作を1つにまとめる運動能力が障害されているため、
粗大運動や巧緻動作に困難さをきたすと考えられています。
認知作業トレーニング(COGOT)
①自分の身体
②物と自分の身体
③人の身体と自分の身体
コグニサイズ
コグニサイズとは
国立長寿医療研究センターが開発した
運動と認知課題(計算、しりとりなど)を
組み合わせた
認知症予防を目的とした取り組みの
総称を表した造語です。
動の種類によって
コグニステップ、コグニダンス、
コグニウォーキング、コグニバイクなど、
多様な類似語がありますが
コグニサイズは、これらを含んだ総称です。
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『パズルより「ながら作業」』は共感!
体育や運動遊びでの活用を!
なぜ体育や運動遊びで活用することが必要なのか
それでは本題です。
私はこのコグニティブ理論を
ぜひ、就学時前教育(幼稚園・保育園・こども園など)と
義務教育に取り入れるべきと考えています。
上記では
発達に課題を抱えている子や高齢者への
取り組みでしたが
運動と認知機能は非常に密接な関わりがあります。
もちろん無意識下で行える身体の動きも重要ですが
多くの運動・スポーツが
刻一刻と状況が変わる中で
その状況を見て、判断し、
状況に応じた動きが求められます。
まさに、認知機能が重要です。
これが早く正確であることが求められます。
「サッカーバカ」「野球バカ」など
そのスポーツを極めるために全ての時間を注ぐ人に
掛ける褒め言葉として
「○○バカ」という言葉がよく使われていた時代があります。
これは間違ってはいません。
やはりスキル(技術)を習得するためには
反復練習が非常に重要になります。
これは多くの練習を行うことで
より高い習得が望めます。
しかし、高いスキルがあるからといって
試合でより良いパフォーマンスができる訳ではありません。
大切なのは、スキルを発揮するためのスキルです。
それが認知機能なのです。
走るのが早いからといって暴走してアウトになる。
ボール扱いがうまいからといって
自陣でボールを持っていて取られてピンチになる。
私も、非常に高いスキルを持ちながら
トッププレーヤーになれなかった子も多く
見てきました
反対に、スキルは最高級ではないのに
トッププレーヤーになった子も同じくらい多く見てきました。
幼稚園や小学校ではトップスポーツ選手を育てることが目的ではない
とはいえ、私たち(教員)は
トップスポーツ選手を育てることが目的ではありません。
どの子も生涯にわたってスポーツに親しむ素地を作ることが目的です。
だからこそ、どの子も「運動が楽しい」
と感じてあげられるようにする必要があります。
そのためにスキルは最低限必要です。
逆に最低限のスキルだけでは楽しさは味わうことができません。
でも、指導者がスキル向上のみにフォーカスして
取り組んでいれば苦手な子は嫌いになっていくでしょう。
自己肯定感も下がっていくでしょう。
どの子も楽しめる活動とするためには
認知機能の向上にフォーカスしてことが重要なのです。
そして、運動が苦手な子も得意な子も
同等に戦える土俵(環境)を設定してあげることができるかが
指導者の腕の見せ所だと思います。
認知機能の重要性が分かってきましたか?
勉強にも良い効果が!
体を動かしながら脳を動かすことは
脳の活性化にとってももちろん良い効果があります。
これは、コグニサイズで証明されています。
ただ、座学で脳トレをするよりも
体を動かしながら脳トレする方が
効果的であるとされています。
つまり、賢くなるのです!
実際にこんな方法があります!
そぶ先生が実際に授業で行っていた一例です。
これを見て実際に真似するもよし
先生方で工夫してもらうもよし
ぜひ参考にしてみてください!
①ラダーを使ったトレーニング・遊び
ラダーはステップのスキルを身につける道具だと
思っていませんか?
子供は本当に頭がいいので色々な遊びを生み出しますので
ラダーであれば、幼稚園に置いておくだけで
まずは素晴らしい遊び環境になるでしょう。
小学校であれば、準備運動の一つとして
準備も簡単で手軽にできるのでおすすめです。
手と足を連動させた運動
一番シンプルなのがこれです。
例えば、足をグー・パー・グー・パー…
の順にやってみる。
次は次に手も付けて(グー・パー・グー・パー…)
やってみる。
次は、手を(パー・グー・パー・グー…)
でやってみる
といったものです。
当然グー・パーでなくてもケン・パーだったり
後ろ向きにしたり
手を上下にしたり色々アレンジできます。
運動が得意な子も苦戦している様子が目に浮かびます。
視覚情報・聴覚情報を付け足す
ラダーをやりながら、視覚や聴覚の情報を付け足して
判断をさせます。
例えば、「青」と言ったら「青」のコーンへ
「赤」と言ったら「赤」のコーンへ走って
競争をします。
例えば、これを逆にするとさらに混乱をきたします。
「青」と言ったら「赤」のコーンへ…
指導者が、指で「1」を出したら「青」のコーンへ
「2」を出したら「赤」のコーンへ
とすると視覚情報が加わります。
小学校では指導者役を子供がやっても面白そうですね。
ラダーとマーカーを連動させた運動
認知機能をより使った運動です。
ラダーの横に3色程度のマーカーをランダムに置き
色に応じて動きを変えさせます。
例えば、赤は右足、青は左足、黄色は両足
というように設定して行います。
色を見て瞬時に判断して
体の動きに反映していくものです。
ちなみに、私はフラットマーカーを
劇的に薦めています。
なぜなら踏んでも大丈夫で
色々な場面で使える優れものです!
これが一番安いかな〜
そぶ先生が息子との遊びで使っているものです。
②ボールを使った運動
ボール集めゲーム
4チームに分かれ、スタートの合図で
中央にあるボールを走って取りに行く。
(中央のボールは
6〜7個がいいかなと思います。)
ボールを取ったら、
チームのフラフープに入れる。
ボールは一人ひとつしか
持ってくることができない。
早くボールを3個集めたチームの勝ち。
中央にあるボールがなくなったら、
他のチームがフラフープに集めたボールを
取ってきてもOK。
コーンやマーカーを使ったもの
サッカーでもバスケットボールでも
ドリブルスキルの練習にちょっとひと工夫。
コーンをランダムに置いておきます。
そぶ先生は同色2本のコーンで
ゲートをたくさん作るように
しておくこともあります。
ドリブルを自由にしている途中に
指導者が「赤!青!」と言ったら
「赤→青」の順番で
コーンで作られたゲートを通過します。
これを「青!緑!黄!赤!」など
数を増やしたり
「10・9・8…」と時間を
カウントダウンしてあげると
盛り上がります。
子供たちは聴覚情報を取り入れて
記憶し、視覚情報を参考に
より早いルートを瞬時に判断し
ドリブルスキルを活用して
なるべく早く移動します。
③レク的なもの
イカタコ遊び
2列に並んで
イカチームとタコチームに分かれて
ペアを組みます。
指導者が「イカ!」と言ったら
イカチームは逃げて
タコチームは追いかけます。
瞬時に判断して逃げないとすぐ捕まります。
これはさまざまなアレンジが可能です。
・「イカ」と言ったときに
「タコ」チームが逃げるようにする。
・紛らわしいチーム名に変える。
例えば「タイ」と「タコ」
・名前ではなく、ペアでじゃんけんして
勝ったら逃げる、負けたら追いかける。
また、それの逆も。
「言うこと同じ、やること同じ」ゲーム
5人程度のグループで手を繋ぎます。
レベル1「言うこと同じ・やること同じ」
指導者が「み〜ぎ」と言ったら
子供たちは「み〜ぎ」と言って、
右側にピョンと移動します。
右・左・前・後ろで試します。
レベル2「言うこと反対・やること反対」
指導者が「み〜ぎ」と言ったら
子供たちは「ひだり」と言って、
左側にピョンと移動します。
レベル3「言うこと同じ・やること反対」
レベル4「言うこと反対・やること同じ」
レベル3と4は子供や集団によって
どちらが難しいかは差があります!
手を繋いでやっているので
一人でやるより断然盛り上がります!
実はすでにこんなすごいところで導入されていた!
体育界の先進地:ドイツ
スポーツや体育の世界では、ドイツは先進的な国だと言われています。
そのため、日本も多くのスポーツでは
ドイツの指導法や練習法を取り入れています。
どのドイツではすでに
脳トレと運動を組み合わせた
幼児期・学童期の教育は
当たり前になっています。
「ライフキネティック」も
同様のものでしょう。
サッカードイツ代表でも
このようなトレーニングが
取り入れられているようです。
名門サッカーチーム ボルシア・ドルトムントのアカデミー
ドイツの強豪サッカーチームである
ボルシアドルトムントの日本アカデミーでは
まさにコグニティブ理論を活用した
練習方法で選手育成をしています。
すごいですね〜
まとめ
私が言いたいのはただ一つ
体に汗をかくだけでなく
脳みそに汗をかく
運動や遊びを提供したい
ということです。
これができると
終わった時の子供たちの表情が
充実した表情になってきます。
苦手な子も活躍できる
苦手な子も楽しめる
苦手な子も伸ばせる
体育や運動遊びにしていきましょう!
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