リーダーを育てることは大切か。

先生

「良い学級にしたい」そう願う教師は非常に多いでしょう。
「良い組織にしたい」そう願う管理職やビジネスパーソンも多いでしょう。

では、良いクラスや組織を作っていくためには何が重要なのでしょうか。

重要なことは非常にたくさんありますが、
今日はその中でも、簡単なことだけお話しすることにします。

良い集団の条件

「そぶ先生、どうやったら良い学級が作れますか?」と
学級経営について質問されると、まず言うのは
「どういう集団がいい集団だと思う?」と聞きます。

現代の組織では、やはり自治力が非常に重要なキーワードになってくると私は考えます。
学校教育ではお馴染みの「主体性」と言う言葉に近いものがあります。

自分たちでいい学級を作っていこうとする風土
自分たちで課題を解決していこうとする意識


こういうものが育っている集団は、
もう何もいうことはないでしょう。

先生の出番が少ない=素晴らしい学級である

と言えるでしょう。

では、自治力のある集団に共通していることがあります。

良いリーダーがいる

良い集団には必ず良いリーダーがいます。
「良いリーダー」とはどんなリーダーでしょうか。

それは、自分の利益ではなく全体の利益のために行動できる人です。
そして、全体をその方向に導こうとできる人です。
導く手段は、人それぞれでしょう。
話し上手でグイグイと引っ張っていく子もいれば
黙々と姿で示して周りからの信頼を得ていく子もいます。

よく、声が大きくて、みんなの前に出られる子=リーダー
と勘違いしている人もいますが、
もちろんそれも非常に大きな素質ですが、
それだけでは、有能なリーダーとは言えません。

視野を広く持ち、全体を見て、よく考えられることが重要なのです。

この資質を教師は意図的に育てていく必要があります。

しかしながら、間違えて欲しくないのは、
この資質を全員に付けさせようと思う必要はないということです。

集団には色々な個性を持った人間(子)がいます。
すごくおとなしい子に、リーダーになりなさいと、全体の前に立たせて
演説を促すことは拷問でしかありません。
当然、この子にはこの子なりの支援をして、少しずつ表現力を身につけさせたいですが。

良い集団は、良いリーダーだけでは成立しない

大事なのはここからです。
多くの人(教師・管理職)は良い集団づくりのために、良いリーダーを育成しようとはします。
しかしながら、これだけでは良い集団は作られません。

私は若い頃、これで失敗したこともあります。
良いリーダーを育てたいと、ある数人の子に目をつけ
素晴らしいリーダーとなりました。

しかしながら、このリーダーがどんなに素晴らしい導き方をしても
一向にいい方向に物事が進んでいきません。

なぜなら、リーダー以外の大多数が育っていなかったからです

このリーダー以外の大多数を「フォロワー」と言います。

つまり、良いリーダーを育てると同時に
良いフォロワーを育てていかなければならない
のです。

リーダーの言葉にきちんと耳を傾け、
全体の利益のためには、私は何ができるだろうと考え、実行する。
サポートする。応援する。付いていく。
時には、より良い意見を言い、より良い方向へ進む手助けをする。

このフォロワーの存在が非常に重要になってくるのです。

では、教師はどのようにしていけばいいか。

簡単です。リアルタイムでの価値づけです。
大きな声で呼び掛けたり、全体を引っ張っていく言動ができなくても
そのような声掛けに対して、価値ある行動をしている子を称揚していくのです。

きっとあなたの目の前の集団にそのような子がいるはずです。
リーダー性のある子が目立ちがちですが、
実は、良いフォロワーとしての姿を陰ながらしている子がいるはずです。

そのような子の表れを見逃してはいけません。

例えば、学級の仲を深めたいと
昼休みにみんなでドッジボールで遊ぼうと企画した子がいたとしましょう。
良いリーダーは、自分が鬼ごっこがいいなぁと思っても
みんなが楽しめる遊びは何かと考えたり、アンケートを取ったりして遊びの内容を決めるでしょう。
しかし、いざ、昼休みになって運動場に出ても、集まってきたのは学級の半分くらいの人数。
集まっても、鬼ごっこが始まってしまい、企画者の話なんて全く聞いていません。
これでは、いけません。ただ、ここでその10人を叱るのはナンセンスです。
まずこの集まってきた10人は、褒めてあげるべきです。
企画に賛同して運動場に出てきたのですから。
私は、帰りの会で、この10人を起立させ、大いに褒めます。
もちろん企画した子も含めて、大袈裟にでも褒めます。
でも、今日の集合した状況を伝え、さらにいいフォロワーになるためには何ができたか考えさせます。

もうこの繰り返しです。

まとめ

リーダーは褒められがちです。
確かに全員が持っている資質ではないのですから、褒められて然るべきです。
ただ、それ以外の子にもきちんと目を向けて
フォロワーとしてどのような言動が必要か考えさえていくことで
いい集団(学級)が作られていきます。

どの子も、良いリーダーか良いフォロワーどちらかを目指せば良いのです。
リーダーだけが素晴らしいという雰囲気にしてしまうのは
担任教師としてあまりすべきではないと私は考えます。
どちらも素晴らしいのです。




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